【サイクリングイベント参加前に必読】車検証が必要な場合も!?イベント参加前車検のススメ

サイクリングイベントに参加する際、事前に「自転車の点検」や「車検証の提出」が求められることがあります。この記事では、イベントに向けた点検の必要性や、具体的にどのような準備が必要かを解説します。
随分昔の話ですが、富士ヒル会場などでメカニックブースを担当したことが何度かあります。そこに持ち込まれるロードバイクの中には、なかなか驚くような状態のものも少なくありませんでした。カセットのスペーサーが不足していたり、シートクランプが破断していたり、レース中にクリートのネジが緩んでしまうトラブルも。また、タイヤを現地で交換しようとしたものの自分ではビードを嵌められずに持ち込まれたり、ギア周りが真っ黒に汚れてパフォーマンスがいかにも悪そうなバイクもありました。
こうした状態では、せっかく準備してきたイベントなのに出走そのものが危ぶまれたり、走行中に思わぬトラブルでヒヤリとする場面に遭遇する可能性もあります。事前にショップで点検・整備をしておくことで、安心してイベント当日を迎えることができるのです。
なぜ自転車の点検(車検)が必要なのか?

サイクリングイベントは、公道や山道を使って長距離を走るケースが多く、安全性の確保が非常に重要になります。特に集団で走る場面では、一人のブレーキトラブルやタイヤバーストが大きな事故につながることも。そのため、イベント主催者側としても参加者のバイクコンディションには一定の基準を設ける必要があるのです。
また、イベント中はサポートカーやメカニックが帯同する場合もありますが、すべての参加者に即時対応できるわけではありません。自身のバイクをきちんと整備しておくことが、結果的に自分を守ることにもなります。
さらに、車検制度を導入しているイベントでは、ショップのプロによる点検・サインが義務化されていることも。安全で快適なライドの第一歩は、信頼できるショップでの事前点検から始まります。
車検証が必要なイベント例
全国各地で開催されているサイクリングイベントの中には、事前点検の証明書、いわゆる「車検証」の提出を義務付けているものがあります。たとえば、「ツール・ド・しものせき」「佐渡ロングライド210」では、イベントエントリー後に車検証の用紙が送付され(又はサイトからダウンロードし)、それを自転車店に持参して必要事項を記入してもらう仕組みになっています。
このような車検制度は、参加者全員の安心・安全を守るためのものであり、イベント全体の質や信頼性を高める効果もあります。また、ショップの立場としても、点検中に不具合が見つかった場合にはその場で調整や修理を提案できるため、参加者の不安を事前に解消することにつながるという点で、非常に意義のある制度です。
イベントによっては、指定の点検項目や提出締切が設定されていることもあるため、参加要項をしっかり確認し、余裕を持って準備することが大切です。
点検の主なチェック項目
点検で確認される項目は、安全に直結する重要なパーツばかりです。以下は、「佐渡ロングライド210」の実際の検査証のコピーです。:

加えて、洗車をしてドライブトレインのパフォーマンスを最大化しておくことや、ヘルメットやシューズの状態確認なども含めて点検しておくとより安心です。
いつ点検に持ち込むべき?

イベント直前になって「そういえば点検が必要だった!」と焦っても、すでにショップの作業時間枠がいっぱい…というのはよくある話。特にイベントが集中する春・秋シーズンは、自転車店の整備枠も早めに埋まってしまいます。
そのため、参加イベントが決まったらできるだけ早く点検予約を入れるのが鉄則です。遅くとも2週間前、できれば3週間前には点検依頼を済ませておくと安心です。万が一修理や部品交換が必要な場合も、時間的な余裕があればしっかり対応できます。
特に、タイヤ・チューブやブレーキパッド、チェーンといった消耗品は、点検の結果次第で交換が必要になることがあります。これらのパーツは、在庫の取り寄せに時間がかかる場合もあるため、早めの持ち込みが重要です。場合によってはイベントシーズンに合わせてパーツが品薄になることもあるので、スケジュールに余裕を持って整備を依頼しましょう。
また、車検証の提出があるイベントでは、ショップに持参する書類を忘れないように注意しましょう。提出期限に間に合わなければ参加自体ができないケースもあります。
車検証がなくても点検すべき理由

車検証の提出が不要なイベントもありますが、それでも点検をしておくべき理由は明確です。イベント当日は、長時間・長距離のライド、場合によっては激しいアップダウンや悪路を走ることもあります。
冒頭でもご紹介しましたが事前の点検整備を怠ったことで、例えば以下のようなトラブルが実際に起こることも:
- ヒルクライム中に変速がうまくいかずチェーンが急に脱落し落車してしまった
- 下りでブレーキが効かずヘアピンカーブで激突した
- ディレイラーハンガーが曲がっていることに気付かず常に変速しかける状態でこげたものではなかった
- 下りで急にバーストして落車した
これらはすべて、事前に点検して整備やパーツ交換していれば防げたトラブルです。せっかくの楽しいイベントを台無しにしないためにも、どんなイベントであっても一度ショップで点検を受けておくことをおすすめします。
まとめ
- サイクリングイベントでは車検証の提出が必要な場合がある
- 提出が不要でも、安全のために事前点検は必須と考えよう
- 点検は遅くともイベントの2週間前には依頼しよう
- ブレーキや変速、タイヤなど重要パーツの消耗具合も忘れずにチェック
- 安全に楽しくイベントを走るために、整備は“準備”の一環と心得よう
専門店のプロによる点検は、安心・安全だけでなく、自分のバイクへの理解を深めるきっかけにもなります。イベントに向けての高揚感を楽しみながら、ぜひイベント前点検も前向きに取り入れてみてください。
車検証の提出が義務付けられている場合は「車検証が必要なのでイベント車検をお願い」と、そうでない場合は「イベント参加前に全体をチェックしてほしいんだけど...」と、お声がけいただければスムーズです。イベント車検は有料となります。
他店でお求めになられた自転車のイベント車検も承っています。
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